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心の声(カウンセラーのつぶやき2)

目次

価値観が変わる大事件

前回のブログでは…
価値観は社会や両親または親の役割をする人の中で形成される
ということや

価値観が変わるためには
大きなエネルギーが必要だということを書きました

また必要な「エネルギー」とは

自分が選んで、何かにチャレンジしてぶつかっていくことや
無意識の行動
(例えば…子どもが親や社会に反抗するなど)といった
大きなエネルギーを使う行動の他に

もしも自己選択をしなかった場合でも
外部刺激によって価値観が変わる
(例えば、病気、事故、事件など・・・)に追い込まれることがある
そんな話も書きました

今回はその続き…


私に訪れた外的刺激から
価値観が変化せざるを得ない出来事が起ったこと…

今思えば、必然的におこった大きな事件について書いてみます

息子の忘れ物

あれは
息子のマル君(仮名)が3年生のある日のことです
家に帰って来ると部屋に直行し閉じこもり
私が見に行くと、机に伏せて泣いています

どうしたの? 私がそう訊くと

「〇〇先生(担任)に怒られたぁ・・・
もう、誰も信じられない・・・
明日から学校に行かない・・・」
そう言って大きな声で泣きじゃくっています

(ちなみに・・・うちのマル君、忘れ物が多い不注意タイプ
けれどとっても心優しい繊細さんです)


何があったのかと連絡帳を開いてみると
担任のA先生から伝言が・・・

「マル君が今日また忘れ物をしていました
忘れ物が多いので困っています
忘れ物をしたことを隠して嘘もついていました
おうちでも注意をして下さい」


私は、それを見て愕然としました。
「いつも一緒に準備しているのに・・・
いつもあんなに気をつけているのに・・・
嘘をつくのは良くないことだと注意しているのに・・・なんで!!」


親としてとっても恥ずかしくなりました
そして、息子に腹が立ちました

(これ、ダメな母親だと思われたくない・・・という心理が働いている状態です。
先生の評価を気にしている、冷静ではない むちゃ私、他人軸だったでしょ・・・)


日頃から私は母親として忘れ物がないように
一緒に丁寧に確認をしていました それでもダメかぁ・・・
それに嘘をつくなんて・・・


ここで私は、マル君の気持ちを聴くより先に
なんで出来ないの!何度も言ってもダメなの!!
という怒りが湧き出ていました


そして、こう言いました
「マル君が忘れ物するから怒られるんでしょ
悔しかったら泣いてないで努力をしなさい!」
「男だったら泣かない!!」


これ・・・わたしの昔の価値観です。

「男は強くあれ!」「負けるな!努力せよ!」
そして・・・「大人の言うことをきくことが最善」
「先生はえらい!間違えるはずがない」
「目上に反抗するな!」
今書いていても、古く偏った価値観だと思います。


そして・・・全く息子の傷付きをケアしないまま
連絡帳にこう書きました
「申し訳ありません。きちんと注意します」

登校しぶりと、驚愕の事実


次の日・・・
やっぱり学校に行きたくないとグズったマル君
でも「ダメです。絶対に行きなさい!!」と無理矢理登校させ
数日そんな日々が続きました。

私は毎朝送り出すだけでもクタクタに・・・
(今思うと・・・息子の方が大変だったと思います)



そんなある日
ママ友とお茶会をしているときに、
同じクラスの女の子のママ達からある情報を聞きました


「最近マル君元気がないって、うちの子が言ってたよ。大丈夫?」

「そうなのよ!〇〇先生に怒られて行きしぶって・・・
あの子が忘れ物するのが悪いのよねっ!もう毎日大変・・・(笑)」


そう言うと・・・
「違うよ!知らないの?」と
色々と事情を説明してくれました


〇〇先生が、
・毎日マル君とAくんの二人を集中的に注意する事
・みんなの前に立たせ、このとき学級委員をしていたマル君に
「この子には学級委員の価値がありません」と吊し上げたこと。
・マル君の持ち物を先生が隠して
使うときにマル君が困っていたのに知らないふりをしていたこと
・この〇〇先生は、
過去にも自分になついてくれない子供を標的にして虐めていたこと
・この〇〇先生の親も教育委員会の上層部なので
過去に親が訴えても処分されていなかった事・・・等々


え~~~!衝撃の事実!!!


そんなことがあったのかぁ・・・
再び愕然とし、
なんでもっと息子の言葉を聴いてやることが出来なかったのかと
心が痛み反省するばかり・・・

その時になってマル君の言ってた
「もう誰も信じられない・・・」の言葉の意味が判って
私の心に突き刺さりました


ほんとにダメだよね・・・
自分の軸がブレブレだから
冷静に子どもを守る行動が出来ていなかった


帰宅した息子に
「マル君、ごめんね・・・
〇〇先生に怒られたこと、辛かったね・・・
お母さん、マル君のこと信じて話を聴いてあげられなくてごめんね・・・」

そう言って謝り
いっぱいいっぱい マル君の話を聴いて

大人だから、先生だからと言って正しいことばかりじゃない
自分の考えと違ったらきちんと主張したらいい
お母さんはマル君を守ってあげる
そう言って抱きしめた事を覚えています


それから私の価値観は変化しました。
そして・・・
人間不信になってしまった息子の心を支えていこう
私が命をかけて守っていこう!!と
〇〇先生との戦いが始まり

ここから私の“心理の学び”が始まり
今の仕事、カウンセラーへと繋がりました

思いがけず


人は思いがけず
変化せざるを得ない状況に追い込まれます


とってもショックで 痛みを伴い
辛く苦しいこともおこります


でも、どんなに辛いことにも
どんなに苦しいことにも
そこには必ず意味があると私は信じています


あらゆるものを奪われた人間に残されたたった一つのもの、それは与えられた運命に対して自分の態度を選ぶ自由、自分のあり方を決める自由である。

~ヴィクトール・フランクル~



あなたが今、自分の親や社会の中で形成された
必要のない価値観にとらわれて苦しいのなら

フランクルが言うように
自分のあり方を自由に選択するチャンスが
その苦しさの中にあるのかもしれません・・・いま・・・

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